鹿月秋の晴耕雨読

鹿月秋(from-origin design)の、他愛もない、そして、くだらない日常を無駄な長文で綴っています。
鹿月秋の晴耕雨読

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すき焼き大戦
京都には「三嶋亭」という有名すき焼き屋さんがある。

何が有名かというと、その高級っぷりである。

ここには、幾人もの文士、文豪たちが足繁く
通った店としても名高く、
僕だって、いつかはその敷居を跨ぎたいと
願っているうちの一人だ。

それが自分のお腹を傷めることなく、
人様の懐具合によるのであれば、
なおのこと好し。


先日、お店の隣接されてある三嶋亭のお肉屋さんを
訪れた。

某婦人と「すき焼きをしよう」
という話しになり
「どうせなら、良いお肉を食おう」
となった。

クリスマスだし、贅沢しても良いだろう、
そう思ったのだ。

高級牛肉を買う機会に、
めっぽう恵まれていないものだから、
「高級牛肉」→「三嶋亭」
という芸のない発想しかなかったことを
ここに認めよう。

三嶋亭にはその「高級っぷり」を何の躊躇もなく
発揮しており、ついでに僕も
何の躊躇もなく「小間切れで良いよね」
と提案した。

「アンタん家では小間切れですき焼きするの?」
と冷徹なる言葉が返ってきた。

ダイエーに行けば、もっと安くて旨そうなお肉が
売ってるよ、と言いたかったが、
グッと言葉を飲み込んだ。

そうだ、
このために南部鉄器の鍋を買ったんだ、
ここで負けてはいけないのです、
とショーケースを睨みながら
心に誓う。


結果として、100グラム1000円弱の牛肉を
200グラム買う。

ちょっと少ないかな、とも思いつつ、
その分、野菜を摂れば良いのだから、
小さいことは気にしない。

肉を自転車にぶら下げながら、スーパーへ。

そして、ここでも紛争勃発。

ねぎ、しらたき、焼き豆腐までは
すんなりとカゴに入れてゆき、
僕が白菜を手にすると隣から
「何に使うのん?」
と。

「いや、もちろん、すき焼きに」
答える僕を冷たいビームが刺す。

「何のために?」
「そりゃ、水分を出すためだけど」
「そんなの聞いたことがない」

え?
そうなの?
我が家では白菜は必需品だよ。

婦人はおもむろに、しらたきのパックを裏返し、
「ほら、ここにも白菜の文字はない!」
とすき焼き具材一覧表を指し示した。

たしかに、書いていない。

応戦を試みる。

いや、だってさ、割下ぢゃないんだから、
水分がなかったら焦げつくぢゃない、
ネギからは水分出ないって、
そりゃ無茶だよ、
お湯を入れる?
そっちのほうが聞いたことないよ、
白菜から水分出るぢゃない。


不安になり妹に援護射撃を頼むと
むこうは母君にメール。

妹からは「もちろん入れる」
と心強い返信。

ズイッと婦人がケータイを印瓏




と書いたところで、
残りの文章がケータイのバッテリー切れで
消去されました。

手が疲れたので
本日ここまで!




| 鹿月秋 | - | comments(0) | trackbacks(7) |
父ちゃんの自転車
 9月の半ばに自転車がパクられて、
今は、父ちゃんの自転車に乗っている。

父ちゃんの、トライアスロンで乗っていた
レース用の自転車は、ドロップハンドルが
ついた、当たり前だけど、本格的なもので
残念なことに街乗りには適さない。

でも、これまでのママチャリと違い
よく走る。

これが、楽しい。

コーナリング、直線。

自転車と一体となる感覚が、気持ち良い。



「その自転車、どうしたん?」
と、よく聞かれる。

ぼくは、「オヤジから、もらった」
と答えていた。

それは、正しくはないが、ウソでもない。



父ちゃんが死んでから、およそ、一ヶ月になる。



お通夜の、皆が寝静まった深夜、
僕は、父ちゃんの眠る棺の隣に一人でいて、
これまでの人生の中にないくらいに泣いた。

泣いた、というか、もう、どうしようもないくらいに
次から次へと涙が溢れて、溢れて、溢れた。

それは、風邪の初期状況の鼻水と同じで、
止めようとしても、どうにもこうにも
止まらないのである。

隣の部屋では、兄ちゃんが寝ていて、
けして壁が厚いとは言えないマンションでは
声が聞こえてしまうので、ぼくは、なんとか
嗚咽を食い止めてはいたのだけれども、
涙だけは、どうにも止めることができなかった。


だから、ぼくは、もう、すっかり、父ちゃんの
死について涙を流すことはないだろうと思っていたのだ。

それが、である。

今日、今まで言いそびれていた、
どのタイミングで言って良いのか
分からなかった「父ちゃんが死んだ」ことを
口に出した途端に、ぼくの涙腺は、味噌汁の
豆腐みたいに、フニャフニャになってしまった。


「レヴォリューションNO.3」(金城一紀/角川書店)の
中でロッキーさんという登場人物が、たしか、
こんなことを言っていた。

「遠くに行っちゃった人間はズルいね。
残った方の人間に自分が悪いみたいに思わせる。」
と。

そして、こう続ける。

「(中略)人間、生きてナンボよ。」


そう。
人間、生きてナンボなのだ、
明石屋さんまも、そう言っていたはず。


母ちゃんは、ここぞとばかりに、
あるいは、何かから吹っ切るために
もりもり実家の内装を変えている。


「自転車のハンドル、変えたら?」
と言われるけど、ぼくは、変えないだろうな、
とりあえず、今のところは。



女は男よりも強し、である。



| 鹿月秋 | - | comments(0) | trackbacks(11) |
長雨と9月とネクタイを締めない日々の終焉
 その日は、久しぶりの雨で、
それも、朝からずっと降り続いている、
冷たい雨だった。

河原町丸太町の交差点、北東の角で
チラシを配っていると、気温がグングンと
下がってゆくのが分かる。


雨はそれでも、なかなか止まないのだ。


その上、僕の涙も、なかなか乾かないのだ。



何があったのか、よく分からないけれども、
今年の9月は、本当にいろんなことがあって
こんなにも、いろんなことがあるなんて
そうそうないと思うのだよ、僕は。

それは僕自身のことであったり、
僕の友達のことであったり、
それは実に様々で、だから、僕は
少しだけ困惑してしまう。


静かな水面に水滴が落ちて、
波紋が広がってゆくような、
そんな感じ。

それは、やがて、ついえるのだろう、
もちろん、そんなことは望んでなんか
ないのにな。

そして、新たな水滴が落ちて、
相似形した波紋をつくるのだ。


とにかく、僕は、今月で仕事を辞めます。

次の展開は、まだ決まっていません。


できれば、と思う。

できれば、独立開業しよう、と。


小さいな、本当に小さな店を持って、
安穏と暮らせればよいな、と思う。


オーナーに、辞めることを告げたとき、
思わず、少しだけ泣いてしまいました、
みんなに辞めることを報告したときに、
思わず、涙があふれてしまいました。


これから、どれだけのことができるのか、
自分でも、よくわからないのだけれども、
とにかく頑張らなくちゃな、と思うのです。

がんばっちゃうよ、ホント。


もう一度、ネクタイとベストの出で立ちで、
カウンターで笑えますように。

それが、皆の笑顔に繋がりますように。



浮き草文様した、根無し草人生の
スタートに!




| 鹿月秋 | - | comments(2) | trackbacks(0) |
予備の言葉
月が見えぬというならば、僕がお前の月になってやろう。
(僕の後頭部をご覧くださいませ)



基本的要素として、僕は、所謂、痩せの大食いでありまして、粗雑に大食せしめております。

そんな僕が、気付けば24時間も食事をしていませんでした。

夕方16時くらいに、まかないを食べると、仕事終わりの4時まで食事をしないのですが、昨日はさらに半回転。

そのせいなのか、今朝はずいぶんと酷い夢を見てしまいました。

お願いですから、友達や知人を僕の夢に出演させないでください、
とくに、そういった演出では。

飛び起きて、その人に電話をしようか、瞬間、悩みましたが、それに相応しい時間ではなかったので断念。
そして無の境地に達する様相で二度寝を敢行していたら、無暗に時間を浪費していました、
遅刻しなくて良かった。



タバコの話。

一般的に知られている事実として、僕はヘビースモーカー。

世間様からの太鼓判も頂戴しております。

もちろん僕自身、多少の自負もございます。

それが、ここ最近、吸えないんですよね、
タバコ、吸いたいと思わないんですよ、

23時までは。

その代わり、23時からのチェーンスモーキングっぷりはその残像が千手観音と見間違うほどで、ガラス戸の向こうの歩きタバコの人が手を合わせてしまうほどだと、もっぱらの噂でございます。




一人称の話。

「僕は僕のことを、これから僕と言おうと思う」
と言うと友人が
「それなら、君って言葉も使わなきゃね」

それはそうかもしれないな、と思う。



それは突然の啓示みたいなもので、僕としては、悪くないアイデアだな、と思う。

40歳になったら、髪を伸ばしてやろう、
それもチョンマゲや大銀杏が結えるくらいの長さまで。

僕が42歳になった時には、僕の坊主頭時代を懐かしく思うだろう。

だから、とりあえずは、それまで額が拡大しないようにだけ、気をつけよう。
| 鹿月秋 | - | comments(0) | trackbacks(0) |
低気圧、君がマイケルをやったんだね
「いいね、低気圧が迫ってくるとワクワクするね」

カウンターの向こうで、常連さんが言う。

ええ、そうですね、よく分かります、
と僕は答えた。

常連さんの顔は、すっかり上気している。

たしかに、天気予報でも間もなくで大雨になると伝えている。

大きなガラス扉の向こう側で木々の葉が強い風に弄ばれている。

間もなくだな、と思う。


そうして、マイケルは死んだ。

だから僕は何年かぶりに風邪をひいたのだ。


「クスリを持ってきてあげよう」
なんて言われても困ってしまう。

僕を織り成す60兆個の細胞たちが
がんばって戦っているというのに
僕が弱気になって、どうすると
いうのだ。

と言い続けて今日で五日目。

咳のしすぎで、腹筋が引き締まったような
気がします。

喉が焼きついたエンジンみたいに
熱を帯びつづけているような
気がします。

このまま、うまく行けば
ムーン・ウォークだって
できるかもしれない、
その時はマイケル、
君に見てもらおう。



| 鹿月秋 | - | comments(1) | trackbacks(0) |
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