鹿月秋の晴耕雨読

鹿月秋(from-origin design)の、他愛もない、そして、くだらない日常を無駄な長文で綴っています。
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2度目の夏休み
今年2度目の夏休みが、今日で
終わりを告げようとしています。

けっきょく、7月の終わりの5日間と
今回の5日間の合計10日間で、
まるで大企業並みの夏休みになった。

そんな夏休みの最後の今日、
読んだ本が、偶然にも8月31日の話だった。

『映画篇』(金城一紀/集英社)

これは僕の好きな「ザ・ゾンビーズ・シリーズ」
とは別物なのですが、金城作品は、他の作品を
読んでいる人にしか分からないような仕掛けが
たくさんあるのです。

それは伊坂幸太郎の『アヒルと鴨のコインロッカー』(東京創元社)
という作品の中で、『陽気なギャングが地球を回す』の
響野さんが、「変なおじさん」として、出てたりする、
ま、そんな感じです。

『アヒルと鴨のコインロッカー』と『陽気なギャングが地球を回す』
も映画化されましたが、本屋に行くと奥田英郎の『サウスバウンド
(角川書店)も映画化されるのだそうです。

この作品『サウスバウンド』は僕の好きな作品の1つでも
あるので、観てみたいなぁ、映画。

ついでにもう1本。
スカイ・クロラ』(森博嗣/中央公論新社)も映画化
されるのだそうです。
こちらはアニメーションとの事。
以前に読んだことのある本が映画化になる、というのは
何だか不思議な気分になるものです。

ま、それは置いておいて。


本を読み終え、町へ出かける。
明日から京都の店から神戸の店へと異動してしまう
友達に顔だけ出す。
帰り道、今日が誕生日の友達の店にゆき、
近くの花屋さんで購入した花1輪を渡す。


バスルームの電球が切れていたことを思い出し
電気店にゆくと、『ローマの休日』(監督:ウィリアム・ワイラー)
が500円で売っていたので迷わず購入。

『映画篇』の中で、ひんぱんに「ローマの休日」が
登場してくる。
扉のイラストも「ローマの休日」のポスターだ。

『映画篇』は、いちおう、短編集というスタイル
に分類されるのだと思う。
でも、これらは、ちゃんと最後の章へと向かっていて
それがね、良いのですよ。

最後の章の「愛の泉」で出てくる祖母の家の
情景が、もう潰されてしまった僕の祖父の家を
思い出されて、たぶん、それが、すごい感情移入
できたのかもしれないな、と思うわけです。


「ローマの休日」のアン王女の、たった24時間の
休日と、「映画篇」の夏休みの物語たち、そして
僕の今年2度目の夏休みも、今日で幕を閉じるのです。


ほんと、このままでは、映画評論家とか
小説の評論家になってしまうんぢゃないかと
なかば本気で考えていたところでしたが
無事に元の世界に戻れそうです。

さぁ社会復帰だ。





心配していただいた皆さんには、この場を
借りて、お礼を言わせてください。


ありがとうございました。
| 鹿月秋 | こんなん読んでみました | comments(0) | trackbacks(0) |
オープンドア・マインド
部屋よりも外のほうが涼しいということが
ある。
昨夜もまた、そうだった。

だから、帰宅後、玄関と窓を全開に。

玄関には、薄手ではあるものの、布を
張っているので、中までは見えない。

平和な日本だからこそできる芸当
だろうな、などと思う。



先日、奥田英郎の作品を読んだ、
と書いたきりだったので感想を少々。

『家日和』(集英社)
読み進めてはじめて、これが短編集であることに
気づいた。
最初の作品がずっと続くとしたら、きっと
読み疲れただけだろうな、と思う。
短編集なだけあって、様々な「家模様」が
描かれていて、トータル的には好きだな、
と思えた作品。
奥田英郎を最初に読むのなら、この作品は
良いかもしれない。

『町長選挙』(文藝春秋)
どこかで見たことがあるような
カバーデザインだな、と思っていたら
伊良部精神科医シリーズだった。
いつもの伊良部節満載の作品ではあったの
だけれども、驚いたことが一つ。
それはマユミちゃんが、よく喋っていたこと。
マユミちゃんの友達が登場したこと。
マユミちゃんの私生活が少し見えたこと。
これらは非常に大きな驚きだった。


小説だけではなく、映画も何本か観ました。

『パプリカ』
監督/今敏
原作/筒井康隆
製作/マッドハウス
これが元々、小説だということが驚き。
どんな言葉たちを操って、この世界観を
表現していたのか、気になる。


『フラガール』
監督/李相日
脚本/李相日、羽原大介
製作/李鳳宇
「良い」とは聞いてはいたのですが、
まさか、この僕が映画を観て泣いてしまうとはね、
しかも2回。


『蟲師』
監督/大友克洋
原作/漆原友紀
脚本/大友克洋、村井さだゆき
蒼井優が好きです。
りりィが好きです。
でも、大森南朋が1番好きです。
(※注:僕はゲイではございません)

『シュガー&スパイス〜風味絶佳〜』
監督/中江 功
原作/山田詠美
脚本/水橋文美江
製作/亀山千広
夏木マリは、すごい。
まぁキレイな映画なんぢゃないですか。


『恋愛寫眞』
監督/堤幸彦
脚本/緒川薫
製作/松竹ほか
誰かが「面白い」と言っていたのを
思い出し観てみたのですが、なんのための
VFXなんだか分かりませんでした。
なくて良かったんぢゃないか、とも思ったのですが
これがコメディ映画だと思うと、なるほど、
必要だったな、と思えてきました。
ていうか誰だよ、こんな映画が「面白い」
なんて言ったの。



気づけば折り畳んだ布団を枕代わりにして
大の字になって眠っていた。

目が覚めると、やたら首が痛い。

どうやら、寝違えたらしい。

ふと、玄関を見るといつもは暗いはずの
場所に明かりが差している。

玄関とキッチンの間仕切りに引いてある
布を開けると、玄関の戸が開いたままに
なっていた。

ここが平和な日本で良かったな、と
朝から思ったのでした。


それにしても、首が痛い。

現在の稼動範囲は、左に45°、右に5°しか
傾けられません。
| 鹿月秋 | こんなん読んでみました | comments(4) | trackbacks(0) |
かいつまんで、は嫌なのだけれども
升野浩一『ショートソング』(集英社文庫)

実は、まだ、読了してません。
あと、2章ばかりを残しています。

舞台は東京は、吉祥寺。
そして、短歌の世界、それも
若い世代の、著者自身も、歌人。

まぁ、そんな話です、ひどく、読みやすい
というか、僕でも分かる文語体。

まだ、読み終わってもない作品について、
僕が語る言葉はないものの、それでも、
琴線が揺れ動く言葉が、そこにはあるのです。

それを、ほんの少しだけ、紹介させていただきたい。


作品に出てくる、短歌より-

恋人はいてもいなくてもいいけれどあなたはここにいたほうがいい



作品に出てくる、セリフより-

愛するところなんて、いびつなところに決まってるじゃないの。


作品に出てくる、ひとり言より-

本好きを自慢する心は、さもしい。人はただ、「必要」だから読んでしまうので
はないか。(中略)単に臆病で、それなしではいられなかったから、多くの本を読んで
しまっただけだ。



じゃんけん。ぽん!

僕は、「ぱいなつぷる」のリズムで、
その歩を進める。
そう、それは、6歩分だけかもしれない。


地味だな、と思う。
僕の琴線の揺れる度合いというものが。


友達が、僕を叱責する。

「遠回りしている場合か!
今すぐに、やれ!!」


そうなんだろうな、きっと。
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ハナシがちがう!笑酔亭梅寿謎解噺
ハナシがちがう!笑酔亭梅寿謎解噺
(田中啓文/集英社文庫)


昨今、落語ブームらしく、でも、この作品は、
そのブームよりも前に書かれた作品なんだそうです。

著者は、かなりの落語ファンで、しかも
上方落語のファンで、いくつかの誤解を
持って紹介されていた上方落語を、もっと
ちゃんと紹介したかった、と、あとがきで
桂文珍が書いていました。


面白い!

できれば、ちゃんと落語を聞いてから
読みたかったです。

いや、むしろ、逆かもしれません。

落語、聞きにいきたいです、無性に、今。

数年前に、テレビドラマで「タイガー&ドラゴン」
という落語のドラマがあって以来、気になっては
いた落語ですが、いっこうに、その機会を
設けず、ここにきて、にわかに、再燃しています。

文体そのものも、非常に読みやすく、
できれば、落語について、もう少し、
掘り下げてほしかった感はあるものの、
とっかかりとしては、悪くないのでは
ないでしょうか。

ああ、着物が着たいな。


続編も気になるところですが、
それよりも、実は、もう1冊、
『ショートソング』(枡野浩一/集英社文庫)
が、「早く俺を読め!」と言っているので、
まずは、そちらから。
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『夜は短し歩けよ乙女』
『夜は短し歩けよ乙女』
著/森見登美彦
発行/角川書店


奥付を見ると、2006年11月に初版が発行され、
その3ヶ月後の2007年2月には第5版まで
増刷されていた。

すごいね、森見さん。


さて、賢い方なら「あれ?忙しいんぢゃないの、お前」
と訝しがっているかもしれません。

ま、たしかに、今日中に原稿を入稿しないと
いけないんですけどね。

ま、たしかに、今日中に印刷・製本しないと
いけないんですけどね。


「小説を1冊、読む時間なんて、あったわけ?」
と疑問を深めている人もいるでしょう。


告白しよう。

うっかり、読んぢゃった。


だって、面白かったんだもん。

そして、少し、泣きそうになりました。


「森見作品で泣くの?」
と、『太陽の塔』や『四畳半神話体系』を
読まれた方なら、一層、謎が深まっていることでしょう。


ぜんぜん、違うんだって、これまでとは。


甘い、甘いミルクティーを、夜更けに飲んだ時の
ような、お腹の底が、ほんわかと暖かくなる、
そんな作品なんです。

たしかに、僕が、書店員ならば本屋大賞に
推薦するだろうな、そんな事さえ思いました。


願わくば、もう少し、伏線の張り方に
工夫があっても良かったかな。


「そんな事は良いから、早く仕事しろよ」
と良心の権化のようなアナタなら、
そう呻いているかもしれません。

今は、それ却下。
申し訳ない。

今しばらく、話をさせてくれ。



第2章の糺の森古本市編が好きですね。

夏の京都の、うっとうしい暑さ。
サイダー模様。
うずたかく積まれた古本たちの匂い。
夕立のあとの土の芳香。

そして、僕も、解放された古本に
出会いたい、と感化されてみる。

猫舌の思考回路。


第4章では、遅々として進展しない
恋模様に訪れそうで、訪れない次のステップ。

天井世界が見せる、会議場。

朝日が昇る様子を、「ドミノ倒し」と
表現するセンス。

イタイけど、素直な感情。


僕は、好きですね。

ほんと、町で、うっかり黒髪の乙女を
見つけたら、後をつけてしまうかもしれません。

つけたことは、ないけどね。


そういや、仙台に住んでいた頃、ちょうど
カメラにハマりだした頃で、一番町という繁華街を
望遠レンズを装着したカメラのファインダーを
のぞきながら、女性の後ろをつけていたオジサンの
後ろをつけたことがあります。

端から見れば、僕は、そのオジサンの弟子にしか
見えなかったでしょうね、きっと。

今になって、その、自分が取った行動の
恐ろしさを実感します。

でも気になったんですよね。

女性と2mも離れていないのに、望遠レンズで
オジサンは何を撮りたかったのか――。


世の中には不思議な事が、いっぱいなんです。

たとえば、李白さんの電車の中のように。
たとえば、値札を盗む美しい少年のように。
たとえば、2人の頭に林檎が落ちてくるように。
たとえば、目覚めた隣に・・・。
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