鹿月秋の晴耕雨読

鹿月秋(from-origin design)の、他愛もない、そして、くだらない日常を無駄な長文で綴っています。
鹿月秋の晴耕雨読

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小指一周、赤切れの旅
「これはヒドすぎる」
とカウンターの向こうの友達が
僕の小指にクスリをつけてくれた。


僕にとっては、すでにお馴染みになっている
左手の小指の赤切れも、ほかの人から見ると
それはヒドいものであるらしい。

上面の傷と側面の傷が、あともう少しで
つながりそうで、それを、実は密かに楽しみに
していたりもしていたのだけれども、どうやら
それは、面白くも何ともないらしい。


友達につけてもらったクスリは、驚くほどに
よく効いて、もう完治は不可能だな、と思っていた
僕の予想を見事に裏切り、わずか1日で完治の手前まで
たどりついたのだ。


クスリって、本当にすごいんですね。


よく「クスリを逆から読むとリスク、副作用があるものだ」
というような言葉を聞きます。

さぁ、この小指のリスクとして、僕はどんな代償を
払うのでしょうか。


とにかく、今のところ、それは、よく分かりません。


よくは分かりませんが、治るものなんだなぁ、ということ
それだけは、よく分かりました。




| 鹿月秋 | - | comments(3) | trackbacks(0) |
雨の水曜日まで、あと2時間
3mほどの心の距離がある人に告白をして
振られた直後に、すぐ側にいる人に告白をした。

その前をスガシカオがコンクリートの階段を
降りて行く。


そんな夢を見た。

眠りから醒める瞬間は、水深5mのプールの底から
とん、とつま先で底を蹴って浮上しゆくような感覚が
あって、それはそれは懐かしい感覚だった。

息は限界なんだけれど、でも浮上するその間、けっして
慌てることなく、すっと背筋を伸ばしてみるのだ。

水面で歪んでいた太陽が、水面から出た僕に強く
降り注ぐ、あの頃の情景が思い出された。


特別な意図はないのだけれども、僕が手にしたのは
『鉄コン筋クリート』(松本大洋)で、洗濯機をまわしている
その間に読んでいた時は、まだまだ雨なんて降りそうになかった。


読書欲に駆られ、ルールなく並べられた本を眺めていると
どうやら、いくつか返ってきていない本があることに気づく。

どうしても『レヴォリューションNo.3』(金城一紀)が
読みたくなったのに、その小説は僕の書架から喪失して
ずいぶん長かったりするのだ。

「こんな事はしたくないのにな、こんな事、彼に対する
冒涜だよ、君、知ってた」
と言って、もう一人の僕が非難を浴びせるけど、
どうしても読みたくなったので、新しい、知らない顔を
した、何度も読んだ『レヴォリューションNo.3』を買って
しまった。

読書灯にしていた60Wの電球は、ずいぶんと前に
フィラメントが切れたままになっていて、だから僕は
キッチン・ドランカーのようにして、シンクの下に
座り込み、やはり「ヒロシ」に涙を浮かべるのだ。



珍しく黒のワイドパンツと黒のロング・スリーブという
黒一色な服を着て、サンダル、10年前に購入した今の
視力には合わないメガネ、帽子はかぶらずに街に出かけると
「そんな髪型だったんだね」
と知人に言われ、そうか、たしかに帽子をかぶらない休日は
久しぶりだったな、と思う。


錦市場を西から東へと突き抜けて、さて、どこへ向かおうか
と何となくで入ったのは「京極スタンド」という、なんと
表現したら良いか分からないけど、とにかく昼間から、
ビールを飲んでいる人が、そこここにいる店。

そんなにお腹が減っているわけでもないのに、店員の
おばさんの圧力に負けるようにして、思わず定食を
頼んでしまった、もちろん、まわりのオッチャン達と
同じくして、ビールも。

「量が多かったら困るな」と思っていたら、適度な量の
定食で、その向こうで船場吉兆の女将がブラウン管の中で
謝罪をしていた。

スペインのバルも、きっと、こんな感じなんだろうな
とか思ってみたりした。


空を見上げると、湿気を含んだ風が吹いていて、
もうすぐ、ここにも雨粒が落ちてくるのだろうな、
と思った。


「雨粒に服を濡らされる前に帰ろう、できれば
どこかでワインでも買ってから」
と帰路につく。


途中で本屋に寄ったけど、ぐっとくるものがなく
カラマーゾフとか読んでみる、とか思ったけど
何となく触手が伸びず、メルローなフランスワインだけ
買う。


誕生日にもらった85年のソーテルヌは、いまだに
手がつけられずにいる、タイミングが、分からないのだ。


部屋に戻ると、いつの間にか、眠ってしまっていた、
午睡なんて、ずいぶんと久しぶりな気がする。


そうか、今日は本当に何もない日なんだな、と
午後8時をすぎて、ようやく気がつく。

窓の外ではアスファルトの上で雨粒たちがダンスを
している。


うっかりフローリングの上で眠ってしまった僕は
ワインのお供になるものを探してみたりする。

先週の水曜日以来、その姿を隠していた父ちゃんから
もらった時計が玉ねぎの下から出てきた。


さぁ、今夜は何を食べようか。


雨の水曜日は、すでに始まっていて、
僕はもう、どこにも行けないから、
ただただ、飲み潰れてみたりするのだ、きっと
それは、間違いなく。





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体質が、どうやら変わったらしい、それも男らしい方向に
あまり知られていないことだが、僕には
モミアゲがない。

時に、モミアゲを剃っているとさえ言われることも
ある、頭を剃る、そのついでに。


正確には、剃っているわけではなく、30数年の間、
僕にはモミアゲがなかったのだ。

そう、それは過去形で表現される。


今朝も、いつものように、目覚ましかわりに
シャワーを浴びていた。

そして、ふと、鏡を見ると、あるはずのない
モミアゲが、至極うっすらとではあるが、
形成されていた。

それは、僕の近眼でも確認できるほどに
はっきりと。


この半年で、僕の体質が変わったらしい。

はじめに現れたのは下腹のポッコリだった、
それは残念なことだったけれども、確実に
変化しはじめたのだ、僕の身体は。

たいていの場合、その変化の、いくつかは
残念な事柄だったのだけれども、このモミアゲ
については、おおいに歓迎の意を表する所存なのだ。


と同時に、である。

こんなデータがあったことを思い出してしまった。

「人の体毛の総数に個体差はない」


つまり、頭頂が寂しいことになっている人は
他の体毛がミッチリしている、あるいは、その逆で
髪の毛が多い人は他の体毛が薄いという、アレである。


それが真実であるとして、僕にモミアゲができたということは
つまりは、どこかの体毛が退化した可能性があるという事だ。


僕はモミアゲを手にいれた対価として、何かを失い
はじめているらしい。

僕には、まだ、それがどこかを突き止められずにいる。

なぜなら、顕著であるとは言えないからだ。


一次関数的に、僕のモミアゲが成長をすると仮定して
それに比定して、後退する体毛があるというのは
果たして、それは喜んで良いのか、おおいに悩む。

腕毛にしろ、すね毛にしろ、胸毛にしろ、僕は
たいして立派なものを持ち合わせていないのだ。

ということは、真っ先に犠牲になるのは頭髪では
ないか、僕は、この先、モミアゲの対価として
ハゲるのか、禿げてしまうのか、織田信長を
討った明智光秀みたいに。

信長に「ハゲ」と呼ばれていた光秀よりも、僕は
信長になりたいのに、信長みたいなうつけ者に
なりたいのにな。



僕に立派なモミアゲと、それと共に失った
ナニカがあったとしても、どうか、驚かないでほしい。

だって、ほら、そうでしょ。

ナニカを手に入れる為には、何かを失うのは
必定なんですから、人生とは、そうやって
形成されているものなんですから、きっと、
たぶん、よく知らないけれど。





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進化と変化を感じることができるのは僕が足踏みをしているから
変な帽子をかぶる男に、1通のメールが届いたのは
昨日の夜だった。

それは双子の妹からのメール。

「大阪で双子の姉とカフェをすることになりました」


今年に入ってから何度目だろうかと思う。


つい先日には、「独立することを決めました」という
人がいて、その前には独立に向けて動き出した人がいて、
父親になる人がいて、結婚した人がいて、海外に移住する
人がいて、新しい職場に移った人がいて、新しい可能性を
見つけた人がいて、新しい恋人を見つけた人がいて。

とにかく僕の周りでは、そういった事象が多い昨今。


驚いたりもしたけど、僕は、その、いちいちを
応援するのだ、それくらいしか、できないのだけれども。


そして、僕は、自身のことを考える。

はたして自分はどうなのか、と。


そうやって喜んだり、応援したりできるのは
あるいは僕自身が、足踏みをしているからなのでは
ないだろうか、と。


「君は、そのままで良いのかい」
と、もう一人の僕が問う。

僕は、どう答えるのだろう、
よく分からないな、今は、とにかく
呪文のように「進め、進め、お前には足りているものなど
何一つないのだよ」と言い聞かせる。



そうそう、今日、人と話しをしていて、気づいたことがある、
発見だった、とも言えるかもしれない。

「どして、こんなメールアドレスなの」と聞かれて、
『from-origin』について改めて考えてみた。


この言葉に最初に出会ったのは、僕が仙台に住んでいたころで
国道を車で走っている時に、見つけた言葉で、それがどうしてか
僕の心に響いた。

語感が良かっただけ、というのが本音。


それから、勝手に肉付けしたりしたのだけれども、
今日になって、なぜ僕が共鳴したのか、少しだけ
分かったような気がした。


直訳すれば、「原点(出発点)から」になるのだろうか。

今があるのは、これまでの僕の軌跡があるからだ、
くらいにしか認識していなかったけど、それだけでは
ないのではないか、と思ったのだ。


「自分の過去を否定しない」

そういう言葉が、その人と喋っていて、ふと
出てきて、ああ、そういう事だったんだ、と思った。




たぶん、僕は、今までの時間は、何一つ無駄なことなど
なかった、と信じたいのだと思う、それは、僕の周りの人に
対しても。


「大丈夫、大丈夫、あなたには、ちゃんと築きあげてきたものが
あるのだから」
僕は、そう言って、彼らを応援するだろう。


大丈夫、だいじょうぶ、とバカの一つ覚えみたいに。



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それは骨の延長線なのではないか
組成的には、つまり骨なのではないかと思う。

ということは、である。
骨も、おかしいのか、と思ってしまう今日この頃。


最近、爪が、よく割れる、縦方向に。

いやぁ、参ったね、これは、くらいの
軽さで考えていたのだけれども、よく
考えれば、爪って骨みたいなものなのでは
ないかと思ったわけで、だから、つまり、
骨の組成も危うくなりつつあるのかな。


よく分かんないけど、さまざまな変化が
訪れる春です。




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