鹿月秋の晴耕雨読

鹿月秋(from-origin design)の、他愛もない、そして、くだらない日常を無駄な長文で綴っています。
鹿月秋の晴耕雨読

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その額に触れさせて
横断歩道の向こうに髪の毛をひっつめた女性が立っていた。

それは間違いなく僕の好みだった。

僕は髪の毛をひっつめた女性が好きなのだ。

正確には、あらわになった額が好きなのだ。

いつからだろうか?

あるいは、単に佐藤アギナルドみたいに
「素敵な富士額だね」
と言いたいだけかもしれない。

とにかく、女性の額ほどセクシーなものはないと信じている。


本屋で村上春樹の「1973年のピンボール」と
「国境の南、太陽の西」を買い阪急電車で
三宮に向かった。

朝から何も食べておらず、
これからフレンチを食べる前に
食事をしないほうが良さそうな気もしたが、
西口の改札からほど近い
大衆酒場でキリンの瓶ビールとコロッケと
レバー炒めを食べた。

フレンチまであと2時間というタイミングで。



京都に戻り友達と飲みにゆく。

最後のラーメン屋で
「私をスキーに連れてって」
の話をしたせいか
僕の足どりはシュプールを描いていた。

電信柱が、スラロームのポール代わりになり
歩道のわずかな変化も
足裏はキャッチして、無条件に
身体が反応してしまう。

端から見れば、ただの酔っぱらいですが
それでも希望をすてられずにいる、


たとえば
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僕のメールは、ブラックホールに吸い寄せられる。
 しゃがみ込むと、パンンツの
お尻が破けた。

右耳の後ろを刈り残していた。

今夜、食事にゆく友達から、いっこうに
連絡がない。


どうやら、世間は、僕を玄関マットか何かと
思っているらしく、僕の存在に気づかないまま
踏みにじって去ってゆくらしい。

という被害妄想を抱えてしまう。



仕事終わり、真っ直ぐ部屋に戻るのも
もったいなくて、ご飯を食べに出かけようか
と思う午前4時前。

降りつづいていた雨は上がっていて、
僕は自転車に乗り、木屋町へと走った。

雨がポツリ、ポツリと落ち始める。


こんな時間に開いている店と言えば24時間
営業の牛丼屋くらいのもので、かと言って
あの蛍光灯の下で食事をする気にはなれない。

馴染みのバーに行き、ビールとウィスキーを
飲むと、少し気分も落ち着いてきた。

所持金の関係で、バーを出ると、ジーン・ケリーが
踊りだしそうな雨が降っていた。

こんな日に限って、ビロードのジャケットを
着ている。

せっかくの気分を台無しにされた気がして
コンビニで300ml入りの日本酒を買う。

あいかわらず、ケータイは沈黙を続けている。


とかく、僕のメールは無視されがちである、
という事に気づきはじめた。

それは、ある特定の誰か、ではなく
総体的に、である。

はじめ、僕は「送信ミスしたのかな」と
思っていたのだけれども、たとえば、
送信済みボックスを覗いたところで、それは
体温計と同じで、ただ切なさが深まるだけで、
何の解決にもならない。

そんなにも、と僕は思う。

そんなにも、僕の左の親指が弾きだす言葉たちは
朝礼台に立つ校長くらいに無意味なものなのだろうか、
たぶん、そうなんだろう、とても残念なことだけれども。



熱いシャワーを浴びて、ヒゲを剃り、丁寧に
身体を洗って、出てくると、ケータイの背面が
着信を示すランプが点灯していた。

とりあえず、今夜は、一人で食事をしなくても
済みそうだ。




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京都とイタリアと神戸とフランス
 昼。

出かけようと、靴ひもを結ぼうとしたら
靴ひもが、切れた。

1日のはじまりとして、これ以上ないほどの
出来事だ。


今日は18時までに片付けてしまわないと
いけない用事がたくさんあって、だから
自転車にて移動。


このところ、休日はイタリアンなのだ。

サルティン・バンコ
OMAGGIO
京都ネーゼ

他にも行きたいレストランを挙げてみると
すべてがイタリアンだった。


その割りには、神戸で食事をするなら
フレンチが良い。

神戸で行きたいレストランを挙げると
すべてがフレンチだった。

理由は分からないが、とにかく、そういう事なのだ。


ケータイ会社からメールが届いて、内容を読むと、
「支払いが確認できておりません。
順次、使用を停止します」
との事。

以前なら、「お願いだから払ってちょうだい」的
ニュアンスだったのだけれども、今回のような
ひどく事務的な口調のほうが、ユーザーに与える
影響は大きいと思う。

少なくとも、僕はそうだ。

一目散に払いにゆこうと思ったし、
実際、大急ぎでコンビニに走った。



およそ3週間ぶりに、郵便受けを開けると、
大量のチラシに混じって、実家から、小さな
包みが届いていた。

玄関で開封すると、中からは、正月に行った際に
撮った写真と、モロゾフが入っていた。



僕には関係のないチラシを捨ててゆく作業というのは
心が痛くなる。

お願いだから、僕にチラシを配らないでほしい、
必要な情報は、僕から受け取りにゆけるし、
紙を捨てる行為は、森を捨てる行為と相似形をしていて
僕は、そんなこと、したくないのだから。



チラシと間違ってアパートの管理会社からの
封筒も捨ててしまうところだった。

どうやら、更新が迫っているらしい。

そこには、「変化するチャンス」が書かれている
ように僕には思える。

つまり、「引っ越しをする」という環境の変化。

「引っ越しをしない」という答えが、
「新しいことにチャレンジしない」という
響きとなって返ってくる気がするのだ。

もちろん、そんな事は、紙面に書かれていないのだけれども
僕には時間の余裕が、あまりにもなさすぎる。



新しい靴ひもを買う時間がないので、別な靴を選び、
北山まで往復して、3人分の誕生日プレゼントを買った。





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祈りは届き、男は打ちひしがれる
午前2時の祈りが、間もなくで
聞き届けられる。

しかし、それは僕が思い描いたものとは
違った表情をしていた。



「明日は早いから午前6時に起こしておくれ」
という友達の依頼を僕は
二つ返事で了承した。

僕はその友達から借りた
DVDでも観ながら、その時間まで
過ごすつもりだった。

片付けを終えて店を出たのは
午前4時をすぎたころで、
部屋に着き、ケータイがないことに
気付いたのは午前4時半だった。

どうも帰宅してからお酒を飲むと
寝坊する確率が急上昇するらしく
だから今夜は飲まないつもりで
スポーツドリンクだけを買って帰った。

ケータイくらい正直なところ
なくても困らないのだけれども、
僕の朝はケータイのアラーム機能が
牛耳っているので、ケータイのない
朝はつまり、遅刻に直結している。

これが僕だけの問題ならば、諦めもつくが
僕を含め、3人分の朝を
担っているとなると、そうはいかない。

脱いだばかりのジャケットを
着なおして、でも帽子とマフラーは
つけずに、来た道を走った。

烏丸通の横断歩道を渡ってゆくと
見知った顔と通りすぎた。

彼は僕を認識しなかったようで
足早に走ってゆく。

僕は彼の名前を呼びながら
後ろを追いかけたが、スポーティーな彼の
自転車を追いかけるには
僕のママチャリはあまりにも
非力すぎた。

僕の呼び声は彼の耳には届かずに
最近24時間営業に切り替えた
ファーストフード店の看板に
反射して、京都御所の森に消えていった。


暗い店内に戻ると、僕はカウンターの
周辺を探してみたが見つからず
3階にあるスタッフルームに上がった。

カウンター周辺にないのであれば
残るはスタッフルームしかない。

いつの間に入れたのか、
ケータイは仕事着にしている
ベストの胸ポケットの中に入っていた。

安堵のような小さい溜め息をついて
今走った道を戻った。

右手には御所の森が全ての
光を吸収してしまったかのように
黒く鎮座している。


今夜は酒を飲まないと誓ったのに
もう、これは飲むしかないな、と
烏丸通りの角にあるコンビニに入って
缶ビールと明日の朝食を買った。

コンビニを出ると、まったく、そんな
様子を見せていなかった空から
雨が落ちてきた。

まるで約束を破った僕を
責めるかのような冷たい雨だった。

帽子をかぶっていない僕の顔で
直接、雨がはじける。

そしてシャワーを浴びて、缶ビールの
プルリングをひいて、晩ごはん代わりの
タバコに火をつける。

そして。

時間つぶしに、こうやって
ケータイで文字を打ちこんでいる。


約束の時間が迫っている。


3本目のタバコを灰皿に
押し付けたら、僕の1日はようやく
完遂される。



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歩いて帰ろう、たとえ、ちどり足だとしても
この2週ほど、僕は自転車に乗らず
歩いて行動している、
とは言え、それは休日だけなのだけれども。

くるりは、旅に出る理由は
だいたい100個くらいある
と歌っているように、僕が歩く
理由も、だいたいそれくらいあるのだ。

その全てを披露するには、あまりにも
大変な作業なので、今は
割愛させてもらうとして、
一つには、このところの陽気に
伴っているのかどうかは知らないけれども
とにかく、よく雨が降って
それで僕の自転車の破けた
サドルが常に水気を帯びていることが
それだ。

仕事であれば、ともかくとしても
休みの日にまで、お尻を無下に
濡らすつもりはない。

その次の理由が実のところ、
一番の理由となっていて、
どうやら、僕のお腹は、ほったらかしに
していても残念なことに
へっこむことがないという事実が
浮き彫りになったことだ。

とても残念なことだけれども。


「それだったら歩くのが一番良いよ、
できれば30分以上は」
とカウンターに座る常連さんが言う。

その通りだと思う。


先週の火曜日の夜は仕事終わりに
映画を観てしまい気付けば
午前8時をすぎていて、
布団に入り、目を覚ますと
夕方になっていた。

着替えを済ませて、大衆居酒屋で
腹ごしらえをすると飲みに出かけ
6軒目の店を出ると午前3時前だった。

自転車ならば10分とかからない
ところ徒歩だと永遠にたどり着かないのでは
ないかと不安になるほどに部屋は
遠く感じた。

こんな事なら、と思ってしまう。


こんな事なら、いっその事、
帰ってしまおうか、
海と山に挟まれた横長に広がる
あの街に。



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