鹿月秋の晴耕雨読

鹿月秋(from-origin design)の、他愛もない、そして、くだらない日常を無駄な長文で綴っています。
鹿月秋の晴耕雨読

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肋骨の間のコインランドリー
忌野清志郎の追悼
朝方まで歌う

「おやすみなさい」と
男二人のユニゾンが白い自転車に反響する。

男にモテる奴が本物の男で、
僕はそうなりたいと思っていた。

現実問題として、男しか
座らないカウンターは、
はっきり言って異様だと思う。

「こういう話を理解できる女性に
出会いたい」
と彼は言い、僕は

「そんな女性は存在しない。
もし仮にいたとすれば、
それは女性の仮面をかぶっているだけだ。」


清志郎の歌が分からない女性とは
結婚しない、と彼は続けている。


そんな言葉を聞きながら
ラムを飲み、ウィスキーを飲む。


タクシーに乗り、行き先は自宅方向ではなく店へ。

置いてきぼりにしていた自転車に
またがりペダルをこぎだす。


女の子と付き合う前は
男の子と付き合ってました。

という冗談が通じないのは、
何故なんだろう。


ビッグ・フィッシュの原作の
小説の中で息子が父親に

「冗談はもういいから、
本当の父さんの話を聞かせてほしい」
と言うと
「お前がどう捉えようと構わないが俺は俺の話をしている」
と応える。

そして僕は、そんな父親に
憧れてしまうのだ。


午前6時に、うどんを食べていると、
なぜか、越後湯沢で食べた
立ち食いうどんを思い出した。


アパートの駐輪場で自転車に
乗ろうとすると、知らない間に
アパートの管理会社が変わっていて、
そして今月は更新で、12万円ほど
振り込んだ。

今月は、なかなかに苦しくなるのだろう。


仕事の終わり時間が遅くなるほどに、
身体に悪いものを摂取したくなるのは、
なぜだろうか、
還暦の際に僕は、どんな服を
着るつもりなのか。

今着ている服が入らない
なんてことになっていなければ
良いのだけれども。


胸が痛い。
左の胸が痛い。

これが恋の痛みというものなのか。

友が言う。
「それは肋間神経症って言うんだよ、
僕たちは特別にそれを『気のせい』
と呼んでいるんだ。
少なくとも君の場合、恋の病にかかるようなことは
ないから安心していい。」


恋の、できることなら
不治の病にかかりたいのに
僕は季節性のインフルエンザにさえ
ここ十年、かかっていない。


最近、足のふくらはぎがかぶれやすくて、
明らかに靴下のせい。

くるぶし丈の靴下がほしいのに、
このところの僕と言えば、
丸太町から荒神口の河原町通りを
行ったり来たりするだけの毎日で、
やはり今日も痒い思いをしている。



そして。

久しぶりに自宅に帰ってくると
灯りのついていない、
電気の止められた仄暗い部屋が
僕を迎えてくれた。



明日の朝には電気代を払おう、
少なくとも明日には洗濯を
しなくちゃいけないのだから。



| 鹿月秋 | - | comments(2) | trackbacks(0) |
下唇の、治らないヒビ割れは簡単に消せない
久しく、下唇のヒビ割れが治らず
たとえば、そんな、簡単に消せないものが
あるのだろう。



伊坂幸太郎という作家の名前を
よく耳にする昨今。

僕は、と言えば、彼の作品は
「陽気なギャング」シリーズ以外は
それほど好きになれずにいて
でも世間では映画化になっていったりして
少し取り残されたような
気持ちになってしまう。


ワインの試飲会にゆくと生産者の前で
次々とワインを捨てる人がいて
僕は、どうにも、その風景に慣れずにいる。

彼らの前で、僕は、到底、そんな行動は
できずに、飲み干してしまうのだ。


弱者の肩を持つ、と言われれば、たしかに
そうなのかもしれないけれども
彼らの性格が映しだされたものを
大事にしたくなるのだ。


いたずらっ子とは、つまりは、
アイデア・マンなんだろうな
と思う。

イタズラとは、新しい価値観の
創出なんだと思う。

素敵なアイデアを紡ぎだせない
自分は、いったい何を持ち合わせて
いるのだろうか。


中国人女性の歌声は、僕には全て同じ
裏声に聞こえてしまい、
たとえば映画「ビッグ・フィッシュ」の
あの双子もそうで、きっと
ボサノバでも歌わせてみれば
合うのではないかと思う。

ボサノバには、ああいう、気だるい
感じが良く似合う。


鴨川沿いに、花の首飾りなんかを
つくっちゃいたくなる、華が咲いていて
でも僕はその名前を思い出せずにいる。


お寝坊界のポセイドンなのに、
このところと言えば、午前8時半には
目が覚める。

朝早くに目覚めると少なくとも
選択肢が二つほど増えるらしい。


嫌いな食べ物、と聞かれても、なかなかに思いつかない。
コンビニの陳列棚を見ていたら思い出した。
僕は、蒸しパンが苦手。
それはチーズ蒸しパンが、
おいしくなかったことに起因する。


新しいサンダルがほしくて、
仕事用の靴を買いにゆくついでに
目についたデッキシューズを買ってしまった。

そして僕の足が、右のくるぶしのほうが、
左よりも、やや低いということを
思い出した。




少なくとも。

と僕は思う。


少なくとも、僕の中に刻みこまれた
価値観は、そうそう容易くは
崩れないのだろうな、と。


崩れた先を見る勇気なんて、
そんなもの、もちろん
持ち合わせてはいないのだけれども。



| 鹿月秋 | - | comments(0) | trackbacks(0) |
つつじの午前5時
つつじの香りは、
干しブドウの香りに
そっくりだと思う。



地下鉄の電車のドアに右足を挟まれた。

それを見ていた女子大生が笑っていた。

目が合うと僕は、コクリと
うなづいてみせた。


予備知識を持ち合わせないまま、
大阪の堺筋本町へ。

あまりの乗り換えの多さに、
タクシーの誘惑。

生産者の前でワインを試飲するのは
不思議な感覚だな、と思う。


タバコを買おうと心斎橋を
ウロウロしてみたが、タバコ屋が
見つからない。

ようやく見つけたタバコ屋で
「アンタの銘柄のタバコはすでに終売だよ」
と衝撃の事実。

すぐさま、馴染みのタバコ屋に
電話して当面のカートンを
確保してもらう。


友達に会いにに四ツ橋へ。

心斎橋から歩いてゆけるはず、
とタカをくくっていたら
見事に迷子になり、西長堀。


都合、40分ほどの無意味なウォーキング。

今日、買ったばかりのデッキシューズが
悲鳴をあげております。


友達の店に着いた頃には、
大阪を出る時間まで残り15分。

ひとまず、御手洗いを借りて、
ビールを1杯飲んで、
タバコを1本吸ったらタイムアウト。


梅田から阪急に乗り込み、
座った途端に眠ってしまい、
電車の揺れに耐えきれなかった
僕の身体は大きく通路側に
流されて、床に指をついた。

目の前に座った女子大生が笑っている。


河原町からタクシーに乗り
北白川通りまで。

丁寧な仕事の日本食と飲んだこと
のない日本酒を。

その店は、たしか、誰かが
働いていた店だったような気がするけど、
それが誰だったのか、
うまく思い出せない。

祇園の石塀小路に場所を変えて、
突き当たりのバーでウィスキー。

店を出たころには、半ズボンでは
涼しすぎるくらいに外は冷えていた。


つつじの花には、寒すぎるだろうな、
と思いながら、帰路についた。



森見登美彦の「恋文の技術」を
読んだせいで、手紙が書きたい衝動に駆られる。


| 鹿月秋 | - | comments(1) | trackbacks(0) |
フロントガラスの向こうの夏
季節が、かわる。

その瞬間を見たような気がした。


前の晩に、仕事終わりで飲みに出てしまったせいで
その朝は自転車がなく、その上、少し寝過ごして
バスで仕事場に向かう時間的な余裕はなかった。

丸太町通りを渡り、ちょうど信号で止まった
タクシーを捕まえた。


行き先を告げて、タクシーが走り出した時になって
それがマニュアル・ミッションのタクシーだという
ことに、はじめて気づいた。

時代がアートマティックの車が増えても、
タクシーだけはマニュアル・ミッションが多かった
はずなのに、いまや、タクシーのほとんども
オートマティックへと変わって久しい。

ギアが1速から2速、そして3速へとシフト・チェンジしてゆく。

なめらかなギアチェンジ、
エンジンの回転数とタイヤの回転が合わさってゆくのを感じる。

オートマティックの車では味わえない感触で、
そしてそれはずいぶん久しぶりの感触だった。

後部座席に座りながら、彼の左手が細かく
ギア・ボックスの上を行ったり来たりするのを眺めていた。

ドライバーさんと同じくらいに歳を重ねた車の
フロントガラスの向こうは、白い砂浜が似合いそうな
日射しに照らされていた。

夏の匂いが、わずかに漂ってくる。

季節というものは、陽の長さと匂いから
変わってゆくように思う。


店に着いて、シャッターを少しだけ開けて、
潜り込むようにして中に入る。

入り口の反対側にある箱庭が、強い日射しを
舞台照明にして、表のシャッターを開けていない
暗い朝の店内で、ステージみたいに映る。

強すぎる陽射しが箱庭の風景を、作り物のようにする。


そんな元気を取り戻した太陽が西に沈んでとする時刻。

藍色ほど濃くはなく、
青色ほど薄くはなく。

カウンターから見る外の風景は、まるでブルーの照明で
照らし出されたようで、開け放たれたドアから車の
行き交う音が流れてくるのに、それらは耳まで
届かずに、無音のステージを描いている。

おそらく10分ほどしか見ることができない、
この景色が僕には一日の中で、もっとも美しく感じる。


半年ぶりに部屋の掃除をしたのは、半年ぶりに
友人達が訪れるからで、それは1年ぶりの僕の
誕生日だからだった。

期せずして、模様替えになってしまい、夏仕様と
言えなくもない。


その日は、兄ちゃんと夕方に京都で待ち合わせをして
予約していたレストランまで時間があったので、
2軒ほど飲み歩き、食事をしながらワインを空け、
部屋に戻り、雨の中、友達が集まってくれて、
午前4時くらいまで飲み騒いでいた。



タクシーで店に向かう途中で、自転車の鍵を
部屋に忘れたことに気づいたが、すでに手遅れで
仕方がなく、今日は歩いて帰ってきた。

歩いていても、もう寒くはない季節になったのだな
と思う。


歩くと30分ほどかかる距離なのだけれども、
思ったよりも遠くは感じなかった。

最近、「マクドナルドが何故、平成不況の中で
利益を伸ばし続けているのか」という内容の
記事を読んだせいなのか、あるいは、
空腹で歩いていて普段なら、すぐに通り過ぎて
しまえる、家の近くのマクドナルドが、なかなか
視界から消えなかったせいなのか
5年ぶりくらいにマクドナルドに入ってしまった。

15年前に僕が働いていた時とは、すっかり
様変わりした店内のシステムに感心しながら、
やはり、3分程度で料理が出てくるスピードには驚いてしまう。

レストランなら、その時間で、ようやくメニューが
運ばれてくるほどの短い時間で。


部屋の近くの自販機でビールを買おうと
年齢確認のために車の運転免許証を機械に
挿入すると、「購入できません」のメッセージ。

つい数日前に誕生日を迎えたばかりだというのに。

無情にも返却された免許証を、もう一度、挿入すると
今度は、読み取り機に吸い込まれたまま出てこなかった。

こんな時間にビールとハンバーガーという最低な
食事をしようとする僕へのアンチテーゼなのか。


3mmほど顔を出している免許証を強引に引っぱり
だせたのはマクドナルドの滞在時間よりも、ずっと長かった。


もうすぐ夏が来る。

露出の多くなる季節だ、
深夜にハンバーガーなんか、
もう2度と食べるものか。





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ショート・スリープ・スナイパー
気づけば、1ヵ月ほども、ほったらかしに
していた。


こんな日に限って、なぜか
帽子をかぶらずに、その上
指輪までせずに、部屋を出てしまった。


映画館に向かう途中の校庭の
端に植えられた木に咲いた
白い花を見て、スターダスト・レヴューの
曲を思い出したのに肝心の
花の名前が思い出せなかった。

歌詞は思い出せるのに、
その花の名だけが黒色のマジックインキで
塗りつぶしたかのように
ぽっかりと抜け落ちていた。

それを思い出したのは、
日曜日の昼間で、都合、5日間も思い出せずに
いたことになる。


その一方で、堀川通りにある桜の樹を
見ると、アッという間に思い出すことも
ある。

それは3年前の、先輩の結婚式で
僕は撮影係りを仰せ付かり
堀川に枝垂れている桜を
ビデオカメラに納めた。



ところまでを書いていた。
ここから、どうやって展開してゆく
つもりなんだろう。



それはさておき。

次の水曜日、木曜日は久しぶりの
およそ半年ぶりの連休。

何をしようかな。

水曜日はレオーネで食べようかな、
ラム酒とワインとスウィーツの
お店が御池木屋町下がるに
あるらしい。


大阪は中崎町にあるビストロも
気になる。

かなりクラシカルな味なんだという。



さぁ、あと数日だ、
何をしようか、
どこに行こうか。



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