鹿月秋の晴耕雨読

鹿月秋(from-origin design)の、他愛もない、そして、くだらない日常を無駄な長文で綴っています。
鹿月秋の晴耕雨読

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三つの「ing形」と世界観の話し
「いえね、さっきまでは満席だったんですよ」


僕は心の中で、ああ、またか、
今日だけで何度目だろう、
とカクテルグラスに注がれるお酒を見ながら、
ひとりごちる。



どこで聞いたのか、
すっかり忘れてしまったのだけれども、
恋愛には「三つのing形」が必要なんだそうだ。

タイミング
フィーリング
ハプニング


ハプニングに関して言えば、
たぶん問題ない。

ここ数週間だけでも、
自転車でこけた、
顔に傷ができた、
左頬の感覚がない、
左肩が上がらない、
血を吐いた、
服に穴開いた、
メガネが壊れた、
日焼けした、
肌が赤黒い、
ていうか、
そのへんのアフリカ人より
黒い。
皮膚が硬直して膝が曲げれない、
行く先々で「またそんなに真っ赤になるまで飲んでる!」
と糾弾されるけど、これ日焼けです。
耳の皮がはがれる
(耳無し芳一の気持ちが今なら分かります)、
若狭湾の浜で男にナンパされる
(石井くん、君のことは忘れません)、
フリスビーがうまくキャッチできない、
風が強くてバレーにならない
(ビニルボールの限界を越えました)、
帰りの運転は任される
(助手席の友はビール飲んでる)、
15年ぶりに天下一品でラーメンを食べる
(すごいラーメンですね!)。

言い出したらキリがない、
というか、これぢゃまるで、
生まれつき運がないみたいぢゃないか。


あれ、話しが脱線したかも。

そう、
そんなわけでハプニングに関して言えば、
僕の回りにいくらでもある。

昨日なんか、自転車のブレーキをかけたらチェーンが外れたさ。


ま、それは良いとして、
話を先に進めよう。

次はタイミング。


最近、このタイミングという魔物について
本当に頭を悩まされている。


誰かが、
「本当に神様がいるとしたら、
そうとうなイタヅラ好きだよね」
と言った。

たぶん、そいつは「タイミング」という名の神様だ。

僕は呪文みたいにして、
頭の中で受け売りの言葉を繰り返す。

「二兎なんて、中途半端な数を追いかけるから、
掴まえられないんだよ。
十兎追いかけたら、一兎くらい掴まるって」

問題になるのは、
すぐに10ものターゲットを
頭に思い描けるのか、である。


とても残念なことなんだけれども、
僕にはそこまでリストは長くないようだ、
とても残念なことだけど。


仕方がないので10に満たないリストを
片っ端から攻めてみる。



まず、2件は確実に記憶から消去されたらしい、
「僕はここにいるよ」
と彼女たちに会ったら、そう伝えてほしい。


まずまずの出足の好調ぶり。


ほんの少し前までは、
「コンパしよう。コンパしよう。」
と各界の淑女たちから、お声がかかって
いたはずなのに、この肝心なときに、
いったい彼女たちに何が起こったというのか、
音沙汰がない。


「時間が合わない」
「明日から東京に遊びにいくの」
「久しぶりに実家に帰ろうと思って」
「旧友が遊びにくるの」

返事が返ってきたとしても、ピンポイントで
予定が合わない。

どこかで、誰かが、
「しつこい男の誘いを問答無用で断る返事1000」
という想定問答集でも配っているのではないかと
疑いたくなる。


どうやら、僕の時間軸は、ほかの人と
1,2本、ずれているらしい。

たしかに、人とのズレこそが、僕の
人間性の真骨頂ではあるのだけれども、
ズレくらいなら良いとして、皆が皆、
僕に背を向けているのではないか、
それは、ちょっとばかりさみしいよ、
と何の恥ずかしげもなく僕なら叫べるんだぜ、
そんな聞いたほうが赤面するような
咆哮は勘弁してほしいはず、きっとそうだ、
それなら、今、あなたが取るべき手段は、たったの
一つだけであると、助言して差し上げたい所存だ。



そして、僕はまた、一人、祇園へと
飲みに出る。

石畳をスキップするようにして、
いつものドアをくぐる。


「さっきまで満席だったんです、
今、ちょうど、みなさんが帰られたとこで。」


ほかの人とタイミング合わないことが、
何も、すべて悪いわけではない、
こうやって、バーのカウンターを一人で
独占できることができるんです。


ギムレットの後は、ピーティーな
シングルモルトを、オン・ザ・ロックで。




| 鹿月秋 | - | comments(0) | trackbacks(0) |
お前さん、そいつは、ちょいと言いすぎでないかい。
お盆も過ぎて、
すっかり秋モードに突入したのは
果たして僕だけでしょうか。


とか言いながら、今、友達の車を待つ、
深夜の2時前。

今から友人たちと京丹後の海にゆくのだ!


で。
待ち合わせを過ぎても、お迎えが来そうにない、
そんな状況なので、暇つぶし。



少し前の話し。
10人くらい集まって友達宅にて飲んでおりました。

すると、ある男が女の子に向かって
(とは言え、ほとんど同い年です)

「お前、こうしたらエエやんけっ!」
と言ったんです。

別に、誰も気にしないような、普通の会話、

なのでしょうけど、僕には、どうしても、
「お前」という言葉に納得できなかったんです。



つづく
| 鹿月秋 | - | comments(0) | trackbacks(0) |
遺伝子について考えてみた。
まったく上手くいかない時がある。

それは昨夜みたいなことを言うのだ。



知り合いの鉄板焼屋のラストオーダーまで、あと一時間に迫っていた。

歩けば30分もかからずに到着できる。

でも、ここは安全牌を取って、タクシーに乗り込む。

タクシーなら、5分とかからない距離。

深夜の三条通りは、閑散としていて、わずかに灯りが、片手で数えれるほどしか点いていない。

階段を上がる。

嫌な雰囲気が充満している。

それは、予想を裏切ることなく、
閉店には早すぎる時間に、
すっかりと、閉店作業が始まっている
風景が僕の目の前にあった。

店長が出てきて、少しだけ言葉を交わして、
早々に退散する。

その、すぐ近くにある、昔、銀行であった
石造りのバーに行くと、そうだった、
月曜日は定休日だった。

思いは確信になり、今日は、ぜったいに
うまくいかないだろうと直感する。

木屋町に流れ、知っている、でも
最近、顔を出していなかった店に
寄ってみたりもしたが、それらの
ことごとくが、閉まっていた。

そんなこともあろうかと、
とっておきのバーに行く。

ここは安心して良い場所で、
そして、いつもの夜のように、
奥のカウンターに収まる。

いや、むしろ、納まる、か。

無駄な会話を排除して、
出してくれる、ハイランドの
シングルモルトが、僕を安心させてくれるのだ。



その軽やかな香りを、喉の奥で
楽しみながら、僕は、思考の溝へ
埋没してゆく。



中性的な顔が増えた、
と最近、街を歩くたびに、
そう感じる。

街を闊歩する人や、あるいは、
街角にあるポスターの、それらの
顔が、中性的に向かっているな、と
強く感じる。

ドクター・モローは言った、
「遺伝子を淀ませてはいけない」
と。

「君たちが、その遺伝子の組み合わせに
風穴をあけるんだ」
とも。


つまり遺伝子がある方向に向けて洗練されはじめたのではないか、

いつかそれは淀みをうみ、破滅の道につながるのではないか。

人類の破滅の道は、すでに始まっているのではないだろうか、
そう思ってしまうのだ。



中性的な顔の人間が増えている、ということが
何を示しているのか、というと、
男性性が欠如して女性性に寄っているのでは
ないか、と思うのだ。

中性的な男性が美化されるのは、
たしかに、何も今にはじまったことではない。

織田信長が寵愛した森蘭丸だって、そうだった。

中世ヨーロッパでも、同じようなことが
あったはず。

だから、それ自体を、どうこう言おうと
しているのではなく、その数量的増加が
危ういのではないか、ということなのだ。


このまま、中性的な男性が増えていったとして、
中性的男性×女性=より中性的人間
なわけで、
ノーマリゼーションと言えなくはないのだろうけど、
全般的に同じような顔の人間ばかりになるということは
それだけ遺伝子が近しい関係になるのではないか、
と思うのだ。

遺伝子が近いもの通しの婚姻は、
法律的にも禁止されている。


少し前の話しになるけれども、
ラブラドール(あるいはゴールデン)レトリバーが
人気になった時代があって、その頃、繁殖家が
近親のレトリバー同士の繁殖を多用して、
元来、頭が良いとされているレトリバー種の
ほとんどが、「おバカ」の称号を得ることになった、
そんな話しを聞いたことがある。


これに近いことが、実は起こっているのでは
ないか、と僕は一人、危惧している。

たしかに、この世に、美しい人間が増えることが
喜ばしい。

できれば、僕も、その恩恵に与りたい。

色白で繊細な肌、なめらかな黒髪、
バーのおつまみに出てきそうな
アーモンド型の瞳、濁りを知らない心、
日本海溝みたいに深いエクボ、
日傘を差さない心意気、
さらには、白桃のような
――以下自粛――


なんの話しだっけ?


そうそう。

これは、世界規模の近親相姦が
行われているのではないか、
と僕は思うのです。

無骨な男は、すでに、この世界では
その美学を発揮することなく、
隆々とした上腕二頭筋は
婦女子をお姫様ダッコすることなく
しみったれた細いだけが取り柄の
メンソールのタバコを持ち上げたが最後、
バカラのロックグラスとも無縁で
薄っぺらな株価にダブル・クリック
するくらいしか価値がなくなっている。


はたして、そんな世界が正常だと
誰が言えるだろうか。


ほら、そこの男子っ。

パソコンのディスプレイと
にらめっこしている君!

「世界を淀ませてはいけない」
とドクター・モローは言っているんだぜ。

高学歴同士のカップルが成立する、
その前に、その片方に、滑りこめ!


そのための方法でさえ、
ドクター・モローは、僕たちに
提示してくれている。




『努力だ』




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